
高い家具と安い家具の違いとは?
家具屋の視点から解説

家具を選ぶとき、価格だけでなく、その背後にあるストーリーや素材、製造過程にも注目したいものです。
家はただの物を置く場所ではなく、家族との時間を紡ぐ空間。
だからこそ、どんな家具を選ぶかは生活の質に深く影響します。
高い家具と安い家具の違いを知ることで、長く使いたい、家族と過ごす時間を大切にしたいという気持ちがきっと強くなるはずです。
例えば、子どもがいる家庭では「安全性」を最優先に考える方も多いでしょう。
家具の材質や作りによって、子どもが怪我をしないように工夫されているかどうかは大きなポイントです。
安い家具が全て悪いわけではありませんが、長く使いたいと考えたとき、どんな違いがあるのかを知っておくと、より安心して選べるようになります。
1.天然木とMDF—素材によって変わる家具の価値
① 天然木の魅力—家族と共に育てる家具

天然木を使った家具は、どんな家に置いてもその空間に温かみを与えてくれます。
例えば、ダイニングテーブル。
家族が集まる食卓で、木のぬくもりを感じることは、何気ない日常の中でとても大切な瞬間になります。
天然木のテーブルは、使うほどに味わいが出てきて、木目が美しく変化していきます。
そんな変化を家族と共に楽しむことができるのも、天然木家具ならではの魅力です。
実際、あるお客様が「家族で過ごす時間が大切だから、食卓は天然木のテーブルにしたい」とおっしゃっていたことがあります。
最初は価格に躊躇されていましたが、何年も使ううちに「やっぱりこのテーブルにしてよかった」と感じていただけました。
無垢の木材は、傷がついたり色が変わったりしても、それが“味わい”になり、より愛着が湧いていきます。
②MDF—安価で手に入るが、やはり…?

一方、MDFはその均一な表面や加工のしやすさから、大量生産の家具に多く使われます。
例えば、簡易的な本棚やシェルフにはMDFが使われることが多いです。
価格は安く、見た目もきれいに仕上がります。
しかし、湿気に弱く、長く使っていると変形や剥がれが出たり、カビが発生することがあります。
実際、過去にMDF製の家具を購入したお客様が、カビてしまったために買い替えに来店されるケースも数多くあります。
「安価だから仕方がない」とは言え、長期的に見ると「買い換えのためにまたお金をかけるのか」と思うと、少しもったいない気がしてきますよね。
2.日本製と海外製—製造の背景に共感する
① 日本製の家具—手作りと職人の技に込められた想い
日本製の家具には、やはり「手間暇かけて作られた」という印象があります。
特に、職人が一つ一つ手作りする家具には、温かみと誇りが感じられます。
アフターフォローも充実しており、購入して年数が経っていても修理が可能というのは、安価な製品にはないポイントです。
日本製の家具は、環境への配慮や、安全性にも優れています。
子どもがいる家庭では、特に「有害物質が含まれていないか」という点も気になるところですが、日本製の家具はその点でも安心感があります。
② 海外製家具—安価だけど…その後のトラブル
海外製の家具は、確かに価格が安く、デザインも斬新なものが多いですが、品質に関してはばらつきがあるのが現実です。
例えば、あるお客様が購入された海外製のキャビネット、使っているうちに引き出しのレールが壊れてしまったとのこと。
修理も難しく、結局買い替えを余儀なくされてしまいました。
海外製の家具は大量生産であるため、品質チェックが疎かになりがちで、消費者が後から問題に直面することも多いのです。
3.伝統工芸と大量生産—日本のものづくりの違い

①伝統工芸に触れる—一生ものの価値
日本の伝統工芸を受け継いだ家具には、時を超えて愛される理由があります。
こうした家具は、一つ一つに職人の手が込められており、その美しさと丈夫さは格別です。
あるお客様は「この家具を子どもに譲っていくんだ」とおっしゃっていました。
親から子へと受け継がれていく家具には、ただの物以上の価値が込められているのだと感じました。
② 大量生産品—効率は良いけれど…
大量生産される家具は、確かに低価格で手に入りますが、品質についてはある程度の妥協が必要です。
特に、大型チェストやクローゼットなど、重さや耐久性が求められる家具の場合、安価な大量生産品はすぐにヘタってしまうことが多いです。
初めは見た目もよくても、数年後に使っていくうちに劣化が進んでしまうことがあるのです。
4.安全性—長く使える家具を選ぶためのポイント
家具選びでは、安全性も大切な要素です。
特にお子様がいる家庭では、家具が壊れたり、使用されている塗料や接着剤に有害物質が含まれていないかを確認することが重要です。
① 壊れにくさと耐久性
高品質な家具は、強度があり長期間使用しても壊れにくい特徴があります。
例えば、無垢材や天然木の家具は、強度が高く長持ちするため、重い物を載せても安心です。
安価なMDF製の家具は、強度が低く、使い続けると壊れることがあるため、耐久性の面でも差が出ます。
② 安全な塗料と接着剤
安全性の面では、家具に使われる塗料や接着剤が大切です。
有害物質を含まないエコ塗料や無害な接着剤が使われている家具は、健康リスクを避けられます。
最近では、「水性塗料」や「F☆☆☆☆」基準を満たす塗料を使った家具も多く、室内の空気を守ります。
③ 日本製家具の安全性
日本製の家具は、厳格な安全基準をクリアした塗料や接着剤が使われていることが多く、お子様がいる家庭でも安心です。
高品質な素材と丁寧な製造過程により、耐久性と安全性の両立が可能です。
5.長く使える家具の価値—修理できることの大切さ

高品質な家具は、修理が可能なものが多く、長く使い続けることができます。
無垢材のダイニングテーブルなどは表面を削ることで新品同様に生まれ変わります。
チェアもぐらついてきたらばらして組み直すことができます。
家具の修理ができることは、まさに「一生もの」の家具を持つ喜びなのです。
6.SDGsと持続可能な選択
今日、環境への配慮はますます大切なテーマです。
SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、無駄な資源消費を避けるため、長く使える家具を選ぶことが重要です。
無垢材の家具や、日本製の職人による家具は、環境に配慮した素材や製法で作られており、長く使うことができるため、資源を無駄にしません。
最初の価格が高くても、その後の生活で「本当に価値のあるもの」を選んだと思えるはずです。
7.まとめ—自分にぴったりの家具選びを
高い家具と安い家具の違いを理解した上で、自分や家族に合った家具を選ぶことは、何よりも大切です。
長く使える家具は、ただのインテリアにとどまらず、生活を豊かにし、家族との絆を深める大切な存在になります。
あなたの生活にぴったりの家具を見つけ、毎日の生活をより素敵なものにしていきましょう。
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