
家具の材質を考える
国産材と外国産材の違い

家具を選ぶとき、デザインや価格だけでなく、「どんな木材が使われているのか」を意識したことはありますか?
私たちの暮らしの中で、木は古くから大切にされてきました。
しかし、戦後の木材輸入の自由化により、国内の木材事情は大きく変化しました。
現在、国産材と外国産材、それぞれにどのような違いがあり、私たちの暮らしにどのような影響を与えているのでしょうか。
本記事では、木材の歴史と現状、そして素材選びの重要性について考えていきます。
1.戦後の木材需要と国産材から外国産材への転換
日本は木材消費国世界第3位の国です。
神社仏閣をはじめとした家屋から生活用具に至るまで、昔から木材をあちらこちらに使用していました。
木材資源は、当然のことですが国内で調達していました。
では、外国産材はいつ頃から日本に輸入されるようになったのでしょうか。
外国産材は戦後の復興による木材需要期であった昭和30年代から40年代に急増しました。
そして1964年(昭和39年)の木材輸入の自由化により、一気に輸入に拍車がかかりました。
参考:日本の木材自給率が低い理由とは?木材輸入に頼る日本の林業の現状について
https://xn--n8ja3bnkb1d8q.jp/mokuzai_jikyuuritu/
2.天然木の用途と特徴

天然木はどのように使われていたのでしょう。
古来、日本ではさまざまなところで木を使っていました。
建立1400年の法隆寺をはじめとする建築物はもとより、まな板には包丁の当たりがよい柳、和室の畳の下には調湿効果の高い杉、和箪笥には着物を湿気から守る桐(火災の際、消火のために濡れてもタンスの中には水が入らず着物を守ります)、鍬や金槌の柄は樫、列車の枕木には耐久性のある栗や桧というふうに、天然木は使われる場所によって上手く使い分けられていたのです。
私が家具業界に入った1980年台、家具に使われている木材は、表面材(前板、天板など)や芯材には、天然木が使われていました。
参考:戦後日本の主要木製家具メーカーの家具材料の概要・変遷と意匠・機能との関係https://core.ac.uk/download/pdf/228686018.pdf

芯材や引出しまですべて天然木で作られています。
なぜ天然木だったのか。
身近にあったからというのもあるでしょうが、木造住宅には美しい木目の家具が似合っていたこと、耐久性がありコストが安かったからです。
今で言う地産地消の代表格だったのかもしれませんね。
3.輸入自由化と家具業界の変化
昭和60年代からの木材の輸入自由化は、国産材の需要を押し下げてしまいました。
そして育ちの良い安価な輸入材が国内で大量に使われるようになったのです。
バブル期からバブル崩壊にかけての時期、円高によりさらに安い輸入材を仕入れ国内で加工していた家具業界は、さらに低単価な家具を作るために国内の工場を閉鎖して、機械ごと海外に工事を移します。
資材のみならず労働力まで安くして家具を安く作るようになりました。
昨今では円安のため、家具を作る資材の価格は上がり、販売価格に影響を及ぼすようになり、次第に素材のコストを下げるようになりました。
そうしてより価格の安い積層合板、MDFやパーチクルボードといった材が天然木に替わって多用されるようになりましたが、天然木を使用していた家具と違って、湿気に弱かったり、重くてもろかったりというデメリットも合わせ持っています。
4.国産材と外国産材の違い
国産材を使うことで国内で経済が回れば、山林は活性化し、山を管理することで防災にもなる。
無駄な輸入コストがかからない。
この国の風土にあった材を使える。
顔が見える関係である、などいいこと尽くめではないでしょうか。
さて、本題の国産材と外国産材の違いに戻ります。
国産材は伐採時には無添加であり、外国産材は輸入という観点から何かしらの防虫対策が施してあるということです。
(国産材も使用目的別に防虫加工は施されることがございます。)
防虫のためには薬剤処理または燻蒸などをしなければ輸入できないのです。
近年、シックハウスなど化学物質に敏感な人が増えています。
その原因を特定することは難しいですが、不安要素を取り除くという意味では国産材の使い方を見直す必要があるのではないかと考えます。
ビッグモリーズが考える国産材と外国産材の大きな違いは、健康面を考えた時、素材がいかに無添加なものかどうかです。
なぜなら20年以上前から、私をはじめ家族にアレルギー症状が出てしまい、食べ物に始まり建築物までありとあらゆる原因を探りました。
しかし、原因が特定できるわけでもなく、一つひとつ怪しい原因を遠ざけるようにしたのです。
そして遠ざけた原因の一つが家具に使われる化学物質でした。
仕事上、家具には毎日に関わるし、当時の夏の売り場には、朝入ると目がチカチカしたり、ツーンと鼻につく匂いがあったのです。
住宅の建築基準法のような規制が家具にはないため、家具選びにはそういった意識を持っている家具店を選んだり、お客様自身が知識をもつことが必要になってくるでしょうね。
5.地産地消で日本を元気に
地産地消で日本を元気にしたい。
天然木の持つ良さを伝えたい。
それがビッグモリーズの想いです。
